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Di/o, Ai/oなどの外部I/Oの選定

INtime®を使った産業用システムでは、センサー信号や接点信号、モーター制御などの外部信号とのやり取りを行うハードウェアインターフェースをPCプラットフォームに実装します。
> これらの外部信号には次のようなものがあります。
  • デジタル入力、デジタル出力
  • アナログ入力、アナログ出力
  • エンコーダーからのパルス入力
  • 外部機器からの割り込み信号
  • パルスモータやサーボモータなどのモーション制御信号
  • 画像処理などを行う場合の画像キャプチャ
> これらの外部入出力を行うインターフェースハードウェアには次のようなものがあります。
  • A. 入出力信号を直接インターフェースする拡張ボード(ISA, PCI, cPCI, PC104など)を実装する
  • B. 独立した外部信号入出力機器とシリアル通信(RS232C, RS422/485, USBなど)やLANで接続する
  • C. 市販の集配線装置(リモートI/O装置)で接続する
  • D. 業界標準のフィールドバスで接続する。(DeviceNet, Profibus, CC-link, MECHATROLINK等)
  • E. 最新技術のRTE(RealTime Ethernet)を使う
> これらの方法のどれをシステムに採用するかは、以下の内容などを考慮して方式を選定します。
  • システムに実装する外部入出力総点数
  • 外部信号に対する要求応答速度
  • INtime®ホストシステムと、外部信号源や出力先までの物理的な距離
  • システムのトータルコスト
  • 標準化に対する考え方
システムに応じてこれらの方式を混在させて利用することもあります。
以下に、それぞれの方式と具体的な導入手順を説明いたします。

A. 入出力信号を直接インターフェースする拡張ボードを実装する
この方式は最も古典的な方法ですが、入出力を行うソフトウェアが簡単で、しかも直感的にわかりやすく、一番多く用いられている方法です。
この方式のために使われるインターフェースカードは数多くの拡張ボードベンダーから販売されていて、ソフトウェア的な互換性を気にする必要はありません。
これらの拡張ボードを販売している代表的な国内のベンダーとして、 コンテック社インターフェース社 があり、この2社の製品はマイクロネットから代理店として販売可能です。
各種の電気的な使用のデジタル入力(Di)やデジタル出力(Do)、温度や電圧などのアナログ信号を入力(Ai)、電圧/電流出力(Ao)ボードのほかシリアル通信やGPIB、LANなどの通信ボード、それにモーション制御ボードや画像処理ボードなど多様なインターフェースのものが市販されています。
詳細は上記ベンダーのウェブページを参照してください。
この方式に使われる拡張ボードのバス方式は、ISAやPCI、コンパクトPCI(cPCI)、PC-104, PC-104plusで、最近は普及率やコストの観点からPCIバス仕様のものがよく使われています。
但し、この方式の場合にはこれらの拡張ボードをPC本体に実装するための拡張スロットが必要です。
組み込み用のマザーボード方式のPCでは最大で6スロットのものが販売されていますが、PICMGなどのバックプレーン方式のPCでは20スロットのものも入手可能です。

B. 独立した外部信号入出力機器とシリアル通信やLANで接続する
一部のセンサーメーカーや工業計測機器メーカーなどからマイコンなどのファームウェアを実装した計測装置や制御装置が販売されており、これらとシリアル通信やLANでINtime®プラットフォームと接続する方式です。
この方式はINtime®システムと別にPLCなどを実装する場合もこれにあたります。
シリアル通信にはRS232CやRS422/485などの古典的な通信方式のほか、最近のUSBなどで接続する場合、また機種によってはLAN接続するものもあります。
いずれにしても接続先の装置にはマイコンとファームウェアが実装されていてインテリジェンス装置になっていて、INtime®システムとは通信プロトコルで接続するため、通信ソフトウェアを購入したり、場合により開発する必要があるため、システム構築はそれほど簡単ではありません。
また、一般に接続先の装置で使われるマイコンはINtime®ホストのx86CPUに比べて極端に低速ですから必ずしも高速処理には向きません。分散処理を行うと高速処理ができる言う風に考えがちですが、INtime®ホストのPentium®などの高速CPUで処理を行うほうがはるかにシステムとしては高速で、信頼性や保守性、経済性が優れています。

C. 市販の集配線装置(リモートI/O装置)で接続する
PC本体のPCIスロットなどの拡張スロットに制限がある場合などで、多数の外部入出力を実装したい場合や、接続先の入力源、出力先が距離的に離れていて配線の本数を減らしたい場合などには集配線装置が使われる場合があります。
各社からさまざまな仕様の集配線装置が販売されていますが、一般的にベンダー間の互換性はありません。
集配線装置では、上記 B. のインテリジェンス装置のように装置にアプリケーション機能を実装することはなく、通常アプリケーション処理はINtime®ホストのアプリケーションとして行います。
デジタル信号換算で100点を越えるような入出力点数を必要とするINtime®アプリケーションでは A. の直入出力方式に比べてコスト的に有利です。
但し、直入出力方式に比べて入出力の速度は遅く、最悪5ms程度の遅れがでることもおあります。
この集配線方式は、広い意味で「フィールドバス」に分類されることもあります。

D. 業界標準のフィールドバスで接続する(DeviceNet、PROFIBUS、CC-Link等)
C. の集配線装置に似ていますが、通信方式や通信デバイスが標準化されたフィールドバスというジャンルがあります。
これらは一部日本国内に限定したものもありますが、一般に国際標準で、代表的なものにDeviceNetやProfibusがあります。
これらの技術は従来PLCなどで使われてきました。
INtime®システムではフィールドバスのマスターボードをIntimePCに実装し、デジタル入出力やアナログ入出力、モーター制御コントローラなどのノードを特殊なシリアルケーブルで接続して構成します。
一般に通信速度は500kbpsから10Mbps程度で最近の技術から言えば決して高速とはいえません。
また、マスターとして使うインターフェースボードが高価で、日本では自動車工場や半導体製造装置の一部で使われているに過ぎません。
但し、国際標準であるので輸出する装置や、特にエンドユーザが指定する場合にはこの方式を使う場合があります。

E. 最新技術のRTE(RealTime Ethernet)を使う
上記D)のフィールドバスを発展させた形のRTE(RealTime Ethernet)技術が2005年あたりからヨーロッパを通信に発展・普及しつつあります。
アプリケーションとしての利用方法や考え方はD)のフィールドバスと似ていますが、ハードウェア物理層に、広く普及しているEthernetを利用するところが大きな違いです。
EthernetはIT分野や通信の世界で広く使われていて、ケーブルやコネクターハブやルータなどの付帯機器が市販されていて安価に入手できるメリットがあります。
また、通信速度も100Mbpsや1Gbpsが既に実現しており性能的にも有利です。
但し、ITや通信分野で使われているEthernetは通信プロトコルとしてはCSMA/CD方式が使われており、原理的にリアルタイム通信(時間保証)はできません。
そのためいくつかのヨーロッパの団体がEthernetを使ったリアルタイムプロトコルを標準化して、産業用リアルタイムフィールドバスとして普及させようとしています。
主な標準化方式は、 があります。
また安川電機のMECHATROLINK-IIIも2007年にRTE化を計画しています。
INtime®ではRTEの中でとりあえずEtherCAT®のドライバソフトウェアを提供可能です。
但し、RTE技術は歴史も浅く入出力信号として全ての仕様が提供されているわけではなく、ノード製品のベンダーもそれほど多くはありません。限定したインターフェースであれば現時点で提供可能です。