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既存PLCからの移行

既存のPLCからINplcへの移行に関する疑問点にお答えします。
このページを参考することで、INplcへの移行をスムーズに進めることができます。
1. ラダープログラムはそのまま使えるの?

(1) 既存PLCのラダープログラムはそのまま使えるの?
(2) INplcで動作するラダープログラムへ変換する機能はあるの?

INplcには既存PLCのラダープログラムファイルを直接使用したり、INplcで動作するラダープログラムに変換する機能は備わっていません。
しかし、INplcはIEC 61131-3準拠していますが、ラダーの接点やコイルを使った基本命令(LD、OUTなどの基本的なON/OFF制御命令)に違いはありません。したがって、下記の図ように、既存PLCのラダープログラムのロジックをそのままINplcへ移行することは可能です。
既存PLC INplc
2. レジスタの違いは?

(1) レジスタに違いはあるの?
(2) ラッチリレーはINplcで使えるの?

既存PLCとINplcでは、レジスタの構造や使い方に違いがありますが、INplcには I、Q、および自動割り当てのレジスタ(メモリ)が用意されております。これらにより既存PLCのレジスタを置き換えることが可能です。また、ラッチリレーについても同等のリテイン機能を実装しています。 下記の表をご活用いただくことで、レジスタの置き換えもスムーズに行えます。
INplcが用意しているレジスタ(メモリ)
メモリ 説明
I デジタルやアナログ入力データが格納されるレジスタ
Q デジタルやアナログ出力データが格納されるレジスタ
自動割り当て 内部リレーなどのI/Oに割り付かないデータが格納されるレジスタ
既存PLCからINplcへの置き換え表
既存PLC(レジスタ) INplc
入力 X I
出力 Y Q
内部リレー M (自動割り当て)
ラッチリレー L (自動割り当て)
データレジスタ D I
Q
3. 命令の違いは?

(1) 命令に違いはあるの?
(2) 今まで使用していた命令をINplcで使用できるの?

既存PLCとINplcでは、接点やコイルを使った基本命令(LD、OUTなどのON/OFF制御命令)や、IEC 61131-3準拠の応用命令(演算命令など)で実現できる処理に違いはありません。
INplcはIEC 61131-3準拠のファンクションの形をしておりますが、与えるパラメータに大きな違いはありません。
また、IEC 61131-3に準拠していない命令については、追加ライブラリとして提供しており、各命令をINplcへ置き換えるための方法も資料としてご用意しています。
これらをご活用いただくことで、命令の置き換えをスムーズに行うことができます。
既存PLC INplc
  • 追加ライブラリについては、以下のページとして掲載しております。
  • 各命令をINplcへ置き換えるための方法を記載した資料もご用意しております。
    ご興味をお持ちの方は営業担当までお問い合わせください。
4. 開発ツールは何を使うの?

(1) どのようにしてラダープログラムを開発するの?
(2) 現在値の表示、強制上書き、RUN中書き込みはINplcでできるの?

INplcは、専用の開発ツール(MULTIPROG)で開発します。
MULTIPROGには、現在値の表示、強制上書きなどのデバッグ機能や、RUN中書き込み機能も実装されています。
MULTIPROGを活用することで、既存PLCと同様にプログラム開発からデバッグまで行えます。
(1)開発ツール(MULTIPROG)
(2)値の表示
下の図は、実行中の各信号(変数)の現在値を表示する操作例です。
各信号の現在値を表示する際は、オンラインモードに変更します。
(3)強制上書き
下の図は、接点”SW01”を強制OFFに設定する操作例です。
(4)RUN中書き込み
下の図では、RUN中(プログラム実行中)に接点SW02を書き込む操作例です。

(1) 既存PLCとINplcではユニットに違いはあるの?
(2) 何を揃える必要があるの?

既存PLCは専用のユニットを使用しますが、INplcは汎用機器を使用する違いがあります。
それぞれのユニットは下記のように置き換えられます。
  • 電源ユニット= PC内蔵電源、外部からの供給(ACアダプタなど)
  • CPUユニット= PC
  • 入出力ユニット= 入出力デバイス(プロフィーバス対応入出力スレーブ)またはPC増設ボード
お客様のご要望に合わせてセットアップしたINplcコントローラをご提供するため、スムーズにご利用いただけます。
既存PLC INplc
  • INplcについては、以下のページにも掲載しております。ご覧ください。

I/Oと制御機器をどのようにして接続するの?

INplcも既存PLCと同様にI/O機器の端子台などを通じて制御機器と接続できるため、接続方法に違いはありません。これにより、スムーズに接続の置き換えを行うことが可能です。
既存PLC INplc
1) フィールドバスでの接続例 2) PC増設ボードでの接続例

今まで使用していた表示器は使えるの?

既存HMIとの連携は、HMIが持つ接続方法に合わせることで既存HMIをご利用いただけます。
これにより、スムーズに連携の置き換えを行うことが可能です。
既存PLC INplc
また、WindowsPCでHMIをご利用のお客様は、INplcコントローラ内のWindows上にHMIを動作させることで、連携の置き換えを行うことが可能です。
既存PLC INplc

既存PLCとINplcとのパフォーマンス(命令速度)を比べ、遅いの?速いの?

処理量に適したCPUを選択すれば、PLCからの移行においても処理速度に問題はありません。PC用CPUは日々進化しており、処理能力が向上しているため、今後さらなる性能向上が期待できます。これにより、安心してINplcコントローラへの置き換えを行うことができます。
一例として基本命令を組み合わせたラダープログラムを実行する際の処理時間の比較を示します。
既存PLC INplc
高速モデルのCPUユニットを使用
341us


INplc-3010を使用
64us


※I/O出力時間は含みません
※既存PLCのロジックで合計40168ステップのラダープログラム