保守業務はトラブル発生時に速やかに復旧・原因究明・対策を迅速に行う等、必要不可欠な業務です。
マイクロネットでは、INtime,INplc製品をご利用のお客様向けに、効率的でかつ効果的な保守の方法を提案しております。
お客様が開発した産業システムやリアルタイムPCコントローラが万が一故障してしまった際の早期復旧、日々のメンテナンスやバックアップ、また運転状況・障害発生状況の記録保存等、システム運用中のさまざまなフェーズで必要になる保守の方法を紹介します。
1. 復旧について
産業システムやリアルタイムPCコントローラの保守として、第一に考えるのが復旧です。
ダウンタイムを短縮し、生産量の減少を最小限に防ぐためには早期復旧は必要不可欠です。
システムの異常状態によってとるべき復旧方法は変わります。
以下に3つの復旧方法を紹介します。
● 丸ごと交換
異常状態・故障したPCを予備のPCと交換します。予備のPCに入れ替えることで、システムの設定・動作環境を引き継ぎ、早期復旧が見込めます。
また定期的にシステムのバックアップをとっておくことで、予備のPCとシステムの設定が変わっていてもPC交換後に設定を復元させるだけで復旧できます。
● システムリセット
バックアップイメージを元に、工場出荷状態や正常運転を行っていた時の状態に、プログラムや設定情報を元に戻します。
◇ 提供方法
① 丸ごと交換
予備のPCを準備しておき、故障時に交換を行います。
弊社マイクロネットからご購入していただいたリアルタイムPCコントローラの場合は、弊社サポートまでご連絡ください。
② システムリセット
API提供( 詳細準備中 )
※お客様にてプログラムを実装することも可能です。
INtimeアプリケーションを作成し、以下のコードを記載することでPCを再起動することができます。以下コードをコールする前に、正常終了する為の手順の実装をお勧めします。
outbyte(0xcf9, 6);
③ ハードリセット
PC付属のリセットボタンを押下し再起動を行います。
④ リストア
詳細準備中
※コントローラ製品の場合は有償提供となります。
2. ログ収集について
日々のメンテナンス、運転状況、障害発生状況の記録を保存し、障害原因の調査解析に役立ちます。また、記録したログ情報を一括収集することもできます。手作業で集める必要はありません。
● 時系列データログ
リアルタイム制御を実現しながら、その制御情報を簡単に自由なデータフォーマットにて持続的に記録します。リアルタイムアプリケーション、Windowsアプリケーション問わず使用できます。
● マルチメディア信号
制御装置の動作状況を、画像や音で記録します。生産ラインに流れる異物の画像を用いた異物検知や、装置の異常音を記録し障害発生原因の分析等に役立ちます。
● 操作ログ
操作ログは製品の品質を保証するために重要です。「いつ」「何を」「どのような状態にしたか」を記録し、対象のアプリケーションの操作状況をログに出力します。製品に何らかの問題が発生した場合、操作ログを確認することで、原因を特定し、トラブルシューティングを行うことができます。
◇ 製品ごとのログ出力機能
① INtime
1) SDATコンテナを使用した時系列データログの出力(RT-edgeフレームワーク利用時)
2) 挙動監視コンテナを利用したマルチメディア信号の出力(RT-edgeフレームワーク利用時)
② INplc
1) データトレース機能を利用した時系列データログの出力
2) 挙動監視機能を利用したマルチメディア信号の出力
3) SDATコンテナを使用した時系列データログの出力(RT-edgeフレームワーク利用時)
◇ 出力されたログの収集機能 提供方法
API提供 ( 詳細準備中 )
3. 診断・通知について
残り使用可能なストレージ量、メモリ量等といった情報を取得します。また、予め設定した閾値を越えた場合、オペレータやシステム管理者に様々な形で警報・通知します。これにより、気づかないうちにシステムが長時間ダウンするような事態を防止することができます。
● 診断機能
診断対象は以下のとおりです。
- ① 温度(CPUやマザーボードの温度)
- ② CPUの負荷率
- ③ メモリ使用量
- ④ HDD使用量
- ⑤ メモリリーク
- ⑥ ハングアップ状態(リアルタイムアプリケーション、Windowsアプリケーション、Windows OS)
- ⑦ I/O動作(EtherCATスレーブ等)
- ⑧ 周辺機器の状態
● 通知機能
通知方法は以下のとおりです。
- ① コンソール通知(ローカルPC)
- ② メール通知
- ③ ビープ音
◇ 提供方法
API提供( 詳細準備中 )
4. バックアップ&リストアについて
日々記録・更新されるデータ、リストアに必要な情報のバックアップする方法や、バックアップしたデータをリストアする方法をご紹介します。
● 設定ファイル、データベースファイル、任意ファイル・フォルダのバックアップとリストア
元のデータに障害や損傷、損失に備えて、自動でバックアップします。また、バックアップしたデータを用いて、リストアすることもできます。
● 丸ごとバックアップ
出荷時の状態をバックアップとして保持します。PC異常状態など、PCを初期状態に戻す際に使用します。
◇ 丸ごとバックアップ&リストアの方法
① Windowsバックアップ機能を利用
Windows標準で用意されているバックアップ機能を使用して、製品出荷時またはシステム完成時のシステムイメージをリストアストレージ内に格納(バックアップ)します。
リストアは、回復ドライブ(リストア巣ステム起動用USBメディア)からWindowsの回復システムを起動して、システムイメージを復元します。
※ リストアストレージ作成方法、回復ドライブ作成方法、システムリストア(復元)方法の詳細は、「製品ユーザーにおすすめの保守機能ガイドブック」(準備中)を参照ください。
② Acronis True Image (新名称 Acronis Cyber Protect Home Office) 有料版を利用
市販のツール(有料版)であるAcronis True Imageのバックアップ機能を使用して、システム完成時のシステムイメージをリストアストレージ内に格納(バックアップ)します。
リストアは、同ツールの復元機能を利用してシステムイメージを復元します。
※ Acronis True Image ブータブルメディアの作成方法、バックアップの実行、システムリストア(復元)方法の詳細は、「製品ユーザーにおすすめの保守機能ガイドブック」(準備中)を参照ください。
◇ 任意フォルダのバックアップ方法
Windows標準で用意されているバックアップ機能を使用して、任意フォルダをバックアップします。詳細は、「製品ユーザーにおすすめの保守機能ガイドブック」(準備中)を参照ください。
■ 保守一覧表
No |
保守項目 |
動作・対象・方法 |
備考 |
1 |
復旧 |
丸ごと交換 |
予備PCと交換 |
システムリセット |
障害発生時、BSOD発生時 |
リストア |
バックアップイメージを元にリストア |
2 |
ログ収集 |
時系列データログ |
自由なデータフォーマットにて持続的に記録 |
マルチメディア信号 |
画像・音 |
操作ログ |
対象のアプリケーションの操作状況 |
3 |
診断・通知 |
診断 |
温度 |
CPUやマザーボードの温度 |
CPUの使用率 |
|
メモリ使用量 |
|
HDD使用量 |
|
メモリリーク |
Windowsプロセスのすべてのメモリ利用を監視 |
ハングアップ状態 |
リアルタイムアプリケーション Windowsアプリケーション Windows OS |
I/O動作 |
EtherCATスレーブ等 |
周辺機器の状態 |
|
通知 |
コンソール通知 |
ローカルPC上のみ |
メール通知 |
|
ビープ音 |
|
4 |
バックアップ&リストア |
以下対象データのバックアップと リストア
・設定ファイル ・データベース ・任意ファイル/フォルダ
|
バックアップ対象を指定 自動(スケジュール)でバックアップ可能 |
OS丸ごとバックアップ |
出荷時の状態 |