C2Cコンテナ FL-net
最終更新日:2023/12/20
■ 概要
FL-netは、社団法人日本電機工業会(JEMA)によるオープンネットワークで、製造機器およびコントローラのメーカーを問わず相互情報交換に対応しています。Ethernetをベースとしているため既存インフラを利用可能で、プログラマブルコントローラ(PLC)、NC、RCなど多くの機器が対応しています。
C2CコンテナFL-netを導入することで、FL-netプロトコル経由で外部PLC等のデータが格納されているFL-netのコモンメモリ領域を外部に公開し、タグを介した入出力が可能となります。
■ 仕様
C2Cコンテナ FL-net固有の仕様は以下の通りです。
基本ソフト |
RSI-040 バージョン 5.4.0以降 |
接続局数 |
最大254ノード |
通信機能 |
サイクリック伝送 |
データ更新タイミング |
100ミリ秒周期~65,500ミリ秒周期
デフォルト1,000ミリ秒
※ 使用タグ数によってデータ更新が遅れる場合があります。
|
対応するコモンメモリ
対応するFL-netコモンメモリは、RT-edgeタグを定義する際に、書式に従ってAddressプロパティにEdge FL-net I/O ポートと呼ばれる仮想メモリ空間のアドレスを与えることで、通信の確立とデータ交換の対象となります。Edge FL-net I/O ポートとコモンメモリの関係は次の通りです。
取り扱いができるデバイスメモリは次の通りです。
Edge FL-net I/O ポートは下記の領域で構成されます。
・ コモンメモリ領域1 |
- 範囲: 0x000 ~ 0x3FF |
・ コモンメモリ領域2 |
- 範囲: 0x400 ~ 0x43FF |
・ 情報領域 |
- 範囲: 0x1000 ~ 0x16338 |
<情報領域について>
情報領域は全254ノードの、リンクイン状態やアドレス/サイズ設定などといった様々な情報が格納された領域です。データはNodeID=1から順に連続しており、1ノード当たり100バイト割り当てられています。情報領域で公開しているデータに関しては、各ドライバマニュアル記載の「仮想I/Oスペース」-「情報領域」をご参照ください。
<TagのAddress登録>
Edge FL-net I/O ポートをタグのAddressに指定します。
フォーマットは以下の通りです。
Address=”FLNET/オフセット”
入力タグ指定
Edgeタグを宣言する際に、デバイスメモリの位置をAddressプロパティに与えます。
そして、TagRef_INブロックのTagRefアイテムに列挙することで、MC通信によるデータリフレッシュの対象となります。これによりPLC等の接続機器のデータがRT-edgeに読み出されます。以下はFL-netプロトコルを用いた入力タグの例です。
出力タグ指定
Edgeタグを宣言する際に、デバイスメモリの位置をAddressプロパティに与えます。
そして、TagRef_OUTブロックのTagRefアイテムに列挙することで、MC通信によるデータリフレッシュの対象となります。これによりRT-edgeのデータがPLC等の接続機器に書きこまれます。以下はFL-netプロトコルを用いた出力タグの例です。
■ サンプルシステム
サンプルシステム構成
MC通信コンテナの動作を解説するためのサンプルシステム構成を以下のように定義します。
機器 |
項目 |
設定値・形式 |
Edgeコントローラ |
IPアドレス |
192.168.250.1 |
FL-net 局番(ノード番号) |
1 |
FL-net コモンメモリ1 |
BYTE単位 :0~99
WORD単位 : 0~49
サイズ : 100byte
|
FL-net コモンメモリ2 |
BYTE単位 : 0~999
WORD単位 : 0~499
サイズ 1000byte
|
PLC |
IPアドレス |
192.168.250.2 |
FL-net 局番(ノード番号) |
2 |
FL-net コモンメモリ1 |
BYTE単位 :100~199
WORD単位 : 50~99
サイズ : 100byte
|
FL-net コモンメモリ2 |
BYTE単位 : 1000~1999
WORD単位 : 500~999
サイズ 1000byte
|
通信の定義
RT-edge コントローラでの局番、コモンメモリの設定は、RSI-040 ドライバ製品の設定ツールで設定を行います。
また、RT-edge C2CコンテナFL-netに関する設定は、コンテナ定義XMLに記述することができます。
タグ名 |
値 |
説明 |
SERVICE.FLNET.Mode |
1 |
入出力処理モード:自動更新(1) |
SERVICE.FLNET.AutoRun |
1 |
実行モード:起動時に開始(1) |
SERVICE.FLNET.Cycle |
1000 |
入出力周期:1秒 |
SERVICE.FLNET.ConnectChkCycle |
1000 |
接続チェックサイクル時間:1秒 |
データタグの定義
FL-netのコモンメモリとEdgeタグのデータリフレッシュに関する設定は、コンテナ定義XMLに記述することができます。
Edgeタグ名 |
アクセス方向 |
説明 |
Edge I/O ポート アドレス |
型(byte) |
FL-net領域 (オフセット) |
LimSwitch |
書き込み |
接点スイッチ |
FLNET/0 |
BYTE(1) |
領域1(0) |
AdjValue |
書き込み |
調整係数 |
FLNET/2 |
BYTE(1) |
領域1(2) |
SpeedMul |
読み込み |
制御速度倍率設定値 |
FLNET/100 |
BYTE(1) |
領域1(100) |
InterLock1 |
書き込み |
インターロック信号1 |
FLNET/1024 |
WORD(2) |
領域2(0) |
InterLock2 |
書き込み |
インターロック信号2 |
FLNET/1026 |
WORD(2) |
領域2(2) |
Templature |
読み込み |
筐体温度 |
FLNET/2024 |
WORD(2) |
領域2(1000) |
動作の確認
RT-Edge標準のオブジェクトブラウザツールを用いると、Edgeタグの値変化をダイナミックに参照できます。