langEnglish
ホーム > INtime > 社長からの一言 > 6. WindowsとリアルタイムOSの仮想化技術と製品
社長からの一言
6. WindowsとリアルタイムOSの仮想化技術と製品
よく雑誌等で他のリアルタイムOSも含めて紹介している場合がありますが、それらの多くは特定の企業やアプリケーションで使われることはあっても、一般のユーザーには極端に情報が少なかったりサポートが限定されていたりして実際に導入することはそれほど容易ではありません。
例えば携帯電話でよく使われているシンビアンなどはライセンス量は多いのですが、主に携帯電話機メーカーが採用しており、ライセンス数が数百とか数千では相手にもしてくれないと思います。
また、その技術は携帯電話機メーカ内で閉じており公開されていませんので汎用のリアルタイムOSとは言えず、一般のユーザーが選定の対象となるリアルタイムOSではありません。
これらの「特殊」リアルタイムOSに携わるエンジニアも少なからず居るのですが、ほとんどは派遣型のソフト会社から派遣されたエンジニアが単に「特殊な」アプリケーションのプログラマとして開発に携わっているだけで、他のシステムへの応用できる状況でもありません。

産業用システムに限らず、情報処理用のコンピュータシステムでも、集中処理と分散処理のどちらが適切化と言う議論にはいろいろな変遷がある。
まだその変遷の過渡期にあるのかもしれないが、最近はCPU性能の向上と管理コストなどの観点から、どちらかと言うと集中処理の方向に向かっているといえると思う。
それは情報処理の分野ではインターネットを活用したクラウドコンピューティングであり、複数のサーバーを1台のハードウェアに凝縮させる仮想化システムとして展開している。
制御などの産業用システムでも、EtherCATなどの低コストで高速のフィールドバスが普及するに従い、ローカルのマイコンで処理するよりも、パソコン用CPUなどを使った高速のコントローラで集中処理させたほうが処理が高速化されるということがわかってきた。

またその一方で、パソコン用CPUに限らないが、CPUのマルチコア化が進んできており、産業用システムとしては1つのCPU、1台のコンピュータで一昔前では考えられなかったような処理能力を容易に実現できるようになってきた。
情報処理システムの場合と同様に、一種の仮想化技術で1台のコンピュータで複数の機能を実現するような考え方が芽生えてきた。
情報処理システムでの仮想化はVMwareのように1台のコンピュータハードウェアにWindows ServerやLinuxのような複数のサーバー用OSを走らせているが、リアルタイム処理を必要とする産業用システムでは、制御用のリアルタイムOSと、マンマシンやファイル処理用の汎用OSを1台のPCハードウェアで走らせる技術や製品が出現してきた。

情報処理用の仮想化技術に比べて、リアルタイムOSも動作させなければならないリアルタイム仮想化技術は技術的に高度な対応が必要であり、すでにそのような技術は実現しており製品も販売されている。 リアルタイム用の仮想化技術には大きく2つの方法がある、ソフトウェア的(一部はハードウェアの機能を使っている)に仮想化を行う技術(擬似仮想化=Para-Virtualization)と、Intel-VTのようにCPUに組み込まれた仮想化の機能を利用する技術(VT方式)がある。
前者の擬似仮想化技術を使った製品には、わが社から販売しているINtimeや、INtimeの競合製品であるRTX、およびドイツのロボットメーカーが開発したVxWinやCeWinがある。
かつてはVirualLogixという製品名と同じヨーロッパの会社があったが、産業用からは撤退した。
このジャンルの製品はリアルタイムOSを含んでいる。
一方、後者の製品としてはわが社から販売しているeVM(embedded Virual Machine)と、ドイツ製のRT Hypervisorがある。
このジャンルの製品は仮想化の上で走らせるリアルタイムOSはVxWorksやQNXなどの国際標準RTOSや日本固有のiTRON/T-Kernelなどのリアルタイムカーネルを走らせることができ、その分それらのRTOSやカーネルのライセンス料が掛かる。
また、VT方式では仮想化により動作するOSの種類が多い分CPUパワーを多く消費するためトータルのパフォーマンスが少し低下する。
前者と後者にはそれぞれ詳細な部分で技術的な方式が少し異なり、長所と短所がある。
やはり産業用ソフトウェアとしてはコストが重要な選択のキーとなるため、ライセンスを3つ購入しなければならない後者の製品はビジネス的に難しい面がある。
仮想化の方式 製品名 開発元 汎用OS RTOS
擬似仮想化 INtime TenAsys Windows INtime
RTX IntervalZero Windows RTX
VxWin/CeWin Acontis Windows VxWork/WindowsCE
VT方式 eVM TenAsys Windows 任意のRTOS
RT Hypervisor RTS Windows/Linux 任意のRTOS
(2012/10/23)
< PREV NEXT >